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【現地レポート②】DAY 2 総評:男子・UTSUNOMIYA BREX、女子・BEEFMANが、3×3 日本選手権で初優勝を飾る

 3×3 の日本一を決める『第 7 回 3×3 日本選手権大会』の準決勝と決勝が、2 月27日に新宿住友ビル三角広場で開催され、男女ともに新たなチャンピオンが生まれました。男子は UTSUNOMIYA BREX (栃木県) が初優勝を飾り、当協会が主催した昨年11月の国内ツアー大会『3×3 JAPAN TOUR 2021 EXTREME FINAL』に続くタイトルを獲得。女子は BEEFMAN (岐阜県) が悲願の初優勝を決めました。昨年度の第 6 回大会や『3×3 JAPAN TOUR 2021 EXTREME FINAL』では準決勝で敗れていただけに、1 年をかけて成長した姿を見せてくれました。

連係を磨いた BEEFMAN
 新たな歴史が刻まれた大会の模様を振り返りましょう。まず女子カテゴリーです。準決勝第 1 試合では、BEEFMAN (岐阜県) が QUEEN BEE (千葉県) に 21-16 で逆転勝ちを収めました。立ち上がり、平均身長で約 8 センチ体格の大きな相手に押し込まれてリードを許しましたが、身長162センチの #2 花田遥歌選手や #7 中村和泉選手が果敢にドライブを仕掛け、#11 前田有香選手の 2 ポイントで逆転。その後はゴール下に走り込む味方との連係プレーも光りました。
 準決勝第 2 試合では TOKYO DIME (東京都) がREXAKT (宮崎県) を 20-18 で下しました。Wリーグで理事も務める #21 有明葵衣選手の 2 ポイントや、#93 小原みなみ選手のリバウンドで主導権を握ると、中盤以降は #11 森本由樹選手が 2 ポイントを決めるなどリードを維持。昨年度、決勝で敗れた REXAKT の反撃を振り切ってリベンジにあと 1 勝と迫りました。
 そして、BEEFMAN と TOKYO DIME の決勝戦は、奇しくも昨年11月の『3×3 JAPAN TOUR 2021 EXTREME FINAL』準決勝と同じ顔合わせとなりました。序盤は TOKYO DIME がやや優勢に試合を進めますが、残り 7 分を切ってから BEEFMAN が流れを引き寄せます。#14 矢上若菜選手や #11 前田選手がゴール下へ走り込む連係プレーが決まりはじめ、12-6 として試合後半へ。相手にリバウンドを拾われて点差を縮められたものの、最後までリングにアタックし続けて逆転を許さず、18-14 で歓喜の瞬間を迎えました。
 試合後、大会 MVP に選ばれた #11 前田選手は、過去 1 年で 2 度の準決勝敗退から今大会の頂点へたどり着いた要因を次のように話しました。日ごろの練習から積み重ねた末の初 V であることを感じさせます。

「自分が 3×3 という競技を (改めて) 学んでどういう練習をやっていけばいいのかを考え、それをチームに浸透させるまでやり続けました。3×3 でどう得点を取ればいいのか。連係 (プレー) をとても練習してきたことが、今までの大会と違ったと思いますし、10分間を通して、最後の差につながったと思います」

新戦力融合の UTSUNOMIYA BREX
 続いて男子カテゴリーです。準決勝第 1 試合では UTSUNOMIYA BREX (栃木県) が Dominate (千葉県) に 21-6 で快勝しました。プレッシャーの激しいディフェンスからボールを奪っては、#5 ドゥサン ポポビッチ選手や #7 飯島康夫選手らが次々に得点を重ね、残り 6 分43秒で取られた 1 回目のテレビタイムアウトで 9-2 と先行します。その後も堅守は緩むことなく、2 分以上を残して KO 勝ちへ持ち込みました。
 準決勝第 2 試合では、Solviento (岩手県) が ORANGE ARROWS AICHI (愛知県) を 21-17 と競り勝ちました。相手の得点源である #32 佐藤大輔選手の 1 対 1 を止められずに一時はリードされましたが、中盤に入ると息を吹き返します。#35 菊池亨選手の 2 ポイントで挽回し、ORANGE ARROWS AICHI のチームファウルが累積 7 個を越えたことで得られるフリースローを #2 及川啓史選手や #24 清水隆亮選手が沈め、KO 勝利を呼び込みました。
 そして、決勝では UTSUNOMIYA BREX が序盤から主導権を握りました。強度の高いディフェンスで Solviento に苦しい体勢でシュートを打たせると、オフェンスでは #5 ポポビッチ選手が得点を量産。#11 齊藤洋介選手とのコンビネーションプレーも決まり、#7 飯島選手は内外角から着実に加点。今大会の予選からチームへ加わった #55 成瀬新司選手はリバウンドやルーズボールといった球際の争いで競り勝ち、ファイトあふれるプレーで仲間たちを盛り立てました。最終スコア 21-9 という圧勝劇で、日本選手権を締めくくりました。
 改めて強さを見せつけた UTSUNOMIYA BREX。ただ、4 人が大会前に練習した回数は、わずか 2 回です。それでも、これまで結果を残してきた #11 齊藤選手、#5 ポポビッチ選手、#7 飯島選手の 3 人と、新戦力の成瀬選手が見事に融合して、新たな歴史を刻みました。大会 MVP に輝いた飯島選手は「今まで 3×3 をはじめてから日本一になって MVP を取ることがなかったので、本当に嬉しいです」とコメント。表彰式後には、安堵した気持ちと、仲間への思いも明かしてくれました。

「国内の大会は本当に自分たちのバスケットボールをして、しっかり (勝ちに行く) ということで (挑みました)。とにかく勝ててホっとしますし、成瀬選手が新加入して “彼を勝たせたい” という思いがあった中で優勝できたので、それも含めてホっとしています」

『第 7 回 3×3 日本選手権大会』は男女ともに初優勝チームの誕生で幕を閉じました。また、今後の楽しみとしては、優勝によって 2022 FIBAワールドツアーマスターズ アジア・オセアニア大陸予選大会の出場権が与えられた UTSUNOMIYA BREX の世界挑戦があります。来る2022年度の 3×3 シーンも是非ご期待ください。

【大会最終結果】
○男子
優勝:UTSUNOMIYA BREX (栃木県) ※初優勝
2 位:Solviento (岩手県)
MVP :飯島康夫選手 (UTSUNOMIYA BREX #7) ※初受賞

○女子
優勝:BEEFMAN (岐阜県) ※初優勝
2 位:TOKYO DIME (東京都)
MVP :前田有香 (BEEFMAN #11) ※初受賞 

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